《奇妙な果実 》【2003/07/26(土)】

奇妙な果実という歌がある。

私はこの歌は聴いたことはないのだが、ある作家が書いた小説でこの歌をモチーフにして書かれていたということで歌の存在知り、そして歌の意味を知った時激しい衝撃を受けたものだった。
小説の内容は首吊り自殺をした人に絡めてだったのだが、この歌はリンチされて木に吊るされた黒人の死体のことを歌ったものだという。

奇妙な果実。

そう、木からぶら下がっている様がまさに果実のようであると歌っているのだ。
これは私にとっても痛いものだった。
よくドラマや映画では首吊りの場面は見た事があるが、本物の首吊り死体を自分が目撃してしまう事が実際に起きるとは思ってもみなかったからだ。
勿論、そういう経験を絶対しないなどという事はあるはずはないのだが、ほとんどの人が目撃するようなものでもないだろう。
あの小説のようにぶらーんと揺れてはいなかったが、まさにぶら下がった奇妙な果実───そんな感じだった。

それにしてもこの歌を歌ったビリー・ホリディ。名前はよく聞いていたが、どんな人かは知らなかった。

魂の深みを表現することにおいては誰の追随も許さない───

伝説的なイメージに包まれる天才ブルースシンガー

何でも彼女の自伝はかなりの部分で脚色の産物だという。世渡りのために自ら架空の話を作って広めたとか。
何とも今のネット界にも通じる話ではないか。

私は架空というものが悪いとは思っていない。
虚像や嘘で傷つく者は確かにいるだろうが、傷つける目的ではないのだという嘘を見抜く感覚を身に付けたいと思っている。
今まで一体いくつもの鋭い真実、傲慢な真実というものを見せ付けられてきたことか。
真実では傷つくことはないなどという事を言う者を私は許せない。
優しい嘘も否定される、そんな世の中にひどく絶望を感じてしまう。

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